私たちは、劇団石(トル) きむきがんの一人芝居『在日バイタルチェック』の公演を、2018年10月6日に、福岡市東区和白にある福岡朝鮮初級学校で開催する企画を進めています。
この企画には、二つの大きな目的があります。一つは、現代社会に蔓延る「在日ヘイト」「歴史修正」、いわゆる嫌韓ブームに一石を投じたいということ、そしてもう一つは、地元福岡にある朝鮮学校の存在を、市民に知ってほしいということです。
『在日バイタルチェック』は、在日朝鮮人の100年の歴史が凝縮されて語られます。日本による植民地支配。土地や資源、そして言葉や名前まで奪われる。男性たちは日本へと強制連行されていく。解放後の祖国の分断、学校建設と弾圧、指紋押捺などによる監視と管理、結婚・就職差別、チマチョゴリ事件、そして現在の「高校無償化」問題とヘイトスピーチ…。これらの出来事を、笑いと涙の中で伝えてくれる芝居です。
私たちは、福岡朝鮮初級学校の幼稚園部設立55周年の記念の日の前日に、この公演を朝鮮学校の体育館で開くことで、日本社会が朝鮮学校をどのような境遇に置いているかを、芝居を観に来てくださる方々に感じてとってもらい、支援の輪を広げたいと考えています。さらに、その公演の収益を、翌日に開催する幼稚園部55周年記念として、劇団石が朝鮮学校の子どもたち向けに見せる芝居の公演費として充てることにしています。
劇団石(トル)の主宰であり、『在日バイタルチェック』にて一人芝居を演じる役者、きむきがんは、劇団の名称について、こう語ります。
「劇団石(トル)は朝鮮語で石という意味です。これは、私達の暮らしにある様々な矛盾や差別にお芝居でもって一石投じたいとか、自分のルーツである済州島にとても石が多いということとか、また石が、最初ごつごつしていてもその流れの中でだんだん丸みをおびてくるように、私達人間も様々な出会いの中でごつごつとぶつかり合いながらもそのうち丸くつながっていけたらいいなとか、いろんな想いを込めて名づけました。」
この公演に多くの方々が関わってくださることを通して、実際的に福岡朝鮮初級学校と連帯し、そして丸くつながる輪が福岡の地で大きく広がっていくことを願っています。
「在日バイタルチェック」福岡公演実行委員会