「在日バイタルチェック」福岡公演の呼びかけ人のお一人である、趙星来さんからメッセージが届きました。
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朝鮮半島の統一と平和の機運が高まって来ているのか、少なくない韓国の市民団体が全国の朝鮮学校を訪問しています。むろん元首間、政府間の往来、相互理解も大事ですが、市民レベル、即ち「草の根からも統一」に向かおうとする、なんらかの動きだと思っています。
「日本列島の最南端に位置する朝鮮学校」の本校も例外ではなく、「地理的に朝鮮半島にもっとも近い朝鮮学校」ということで韓国から市民団体の訪問が増えています。
先日、うれしいかな彼らと民族共通の言語で他愛もない会話を楽しんでいると、予期せぬ話題に及びました。劇団「石」のきむきがんさんの「在日バイタルチェック」のそれ。
釜山市から来た、とある中年男性は先の釜山公演の感想をこう話してくれました。
「我が民族は元来バイタリティー溢れる民族だが、きむきがんさんの一人芝居の、その彼女のエナジーにはただただ驚愕した」とのことでした。
恥ずかしながら私はまだきむきがんさんとは直接お会いして、言葉を交わしたことがないので軽々には言えませんが、私見を申し上げるならば、釜山の中年男性はきむきがんさんの、在日社会と正面から向き合って表現しようとするひたむきさ、情熱、笑い、もがき…様々な在日同胞の境遇を慮り、そこから自己研鑽の中で吸収したものをめいいっぱい表現し伝えようとするその姿に強烈なエナジーを感じたのではないかと思います。
釜山はご存知の韓国第二の都市で、本校の子ども達(在日4,5世)の居住する国際都市・福岡市の姉妹都市であります。
やがて到来する朝鮮半島の統一と朝・日の国交正常化、東アジアの平和と繁栄を確信している私は、この度、日本の友人の皆さんの強い意思により、きむきがんさんの一人芝居を本校体育館で上演することに大きな意義を感じずにいられません。
聞くところによると、「在日バイタルチェック」は抱腹絶倒するんだとか。有形無形の在日の悲しみや苦しみを知るきむきがんさんだからこそ、そこから笑いを見つけ、笑いに変え、笑いの耐えない未来に向かおうとしているのかも知れない、と観る前からわくわくしながら勝手に想像している自分がいます。
学校法人福岡朝鮮学園 福岡朝鮮初級学校 学校長 趙星来